とある研究室 B4-17

トップクラスの研究者が集まる「B4ー17」通称ビーヨン。
工場敷地の倉庫地区にある一室で、各区画から手に入る薬品や、試験物資が充実している。
ノルンという先輩の研究員が、新しく入部した私を歓迎してくれた。

私はアリス。天才という呼び声もちらほらと聞こえている。ここでも優秀な成績を出して、世界研究ノーベル賞をとりたい。その名誉をもって、スペシャリストで編成された考古学チームに入るのが私の夢。

ノルンはフラスコの中で植物を育てている。コンクールは「これまでにない」がテーマ。周りと環境を変えれば、違う形になるという考えをしているようだが、そんな意図はすぐに私には分かってしまう。

ノルンは「植物を取り巻く空気が違う」「気圧が違う」「土の成分が違う」と密封のフラスコに無我夢中のよう。だが・・・それは間違っている。駆け出しの研究者がやる失敗に似ている。

私もそういう時があったのかもしれないが、それは小さい頃に済ませた。ノルンは私が少女時代のレベルだった。

次のコンクールでの最高点も私が取れると確信した。
ポイントは「特別な環境を使用しない」事なんだよ・・・ノルン。
誰にでも手が届きそうな所。
実現の成就率。
特段としていない環境でのベスト。
これが認められやすい。
私はコンクールでの賞の取り方も知っていた。

「いままでなかったよね!ラベンダーの香りで芳香剤として虫よけになる観葉植物は!」

このくらいが受ける。
コンクールで金賞を取ったのは私だった。

ノルンは・・・まだ葉も大きくならない植物をフラスコで育てていた。成長が遅い・・・。

私は次のステップへ進む。どこの研究所に入っても、私は新人賞に始まり、どこまでもトップを取り続けていった。

ほぼ・・・スポンサー企業の支援で考古学研究員になった!ここでは何もかもが違う!この難題が私は欲しかったんだ。天才と謳われた私ができない事が待ち遠しい・・・。

「土の成分が多様にある大地。ここで基準となりそうな植物は・・・」
「気候と高度によって・・・どんな変化があるかデータが欲しい・・・」
「どういう期間と季節で・・・」

私は小さい頃から天才と言われていた。
大体の事はすぐに読み解けてしまう。
私は知っていた。
私がここで必要なもの・・・同じくトップを争ったライバルでもない。
ちょっと賞をとれば金を出すスポンサーでもない。
どこかに特化して成功した専門家でもなかった。

私は「研究室B4ー17」に電話をかけた。

「どちら様でしょうか?」

「ノルンはいるの?」

「私ですけど・・・」

「ノルン・・・あの時の植物は・・?」

「まだあるけど・・。」

「私には・・・貴方が必要。」

■ノルンのレポート
〇月〇日
変色が見られる。成長は止まるかもしれない。
〇月〇日
空気の成分が違うと水分が足りなくなる。
〇月〇日
成長は遅く地中に潜ったままみたい。

ノルンはレポートを続けていた。膨大な資料が届いた。どうして続けていたのだろう・・?
この疑問符に対する答えは、いまだに出せていない。

これだけあれば・・・私にとっては容易な事だ。
「葉の色が変わるのを合図に・・何かの反作用か・・・。」
「根に水分を蓄えて・・光合成を必要としない植物だとしたら・・・。」

私は未だに図鑑にもない新種の植物を実際に育て生態を記録した。これで私は世界研究ノーベル賞を受賞している。この地には、記念の石碑がいくつかあるが、その石碑には決まった文字が刻まれていて、巷でよく使用される話題になっている。

石碑
私の少女時代の夢・・・貴方がそのままでいたから。「偉大なるノルン」

ここは貴方がいない貴方が主役になる貴方の世界。そんな世界だってある。私は世界研究員としての一歩を踏み出した。

デジタル編集著作コンテンツ
1920×1080 HDサイズ(jpeg) 画像 ※個人で楽しむ範囲内でダウンロード可。

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歴代の偉人と出来事から、新たな視点を見つけ出して描写しています。重々しい世界から離れて、史実でもある情報を、紹介しています。