
「スヴァリンの楯」が出現。
霜が降りるかのような冷気がヴァルハラの大地全体に漂い始めていた。
「何だか冷えてきたようだ・・・。」
ヘルはニブルヘイムから出ると、1人でもつぶやくアニメのセリフ回しになるようだ。
振り返ると2度の響振動がニブルヘイムを揺らした。異変を感じたヘルは外着で視察に出ている。

ヘル
「ニーズヘッグが驚くほどの異変もあったようだが・・・。遠くに見えるあれは・・・まさかヴァルキリー!?」
ヘルは遠くからヴァルキリーを発見して興奮している。
それはとてもとても遠くの遠くからだが十分に見えているらしい。
ヘル
「あの様子だとここもたいそうな戦場になりそうだ・・・。あいつは、前よりもさらにカッコイイな・・・。」
ヘルはヴァルをいつも遠くから見ている。
近くにいくと・・・息が止まってしまうらしい。
普段のヘルからは想像できない内側の側面で多様に闇がある所だが、何かあればヴァルを気にしているのは確かだった。
レンズ越しの拡張された目で見ている・・・。
それに本人は気づいていない・・・。
これはもしかして・・・。
ヴァルが鉄槌を振るった戦場の屍を、はく製にして屋敷にコレクションしているとも・・・。
ヘル
「これは・・・先々代のヴァルが魔剣ダーインスレイヴを使用した時・・・これは先代のヴァルがグングニルの槍を投げた時だ。あの時は槍が飛ぶ方向を40度角で変えた・・・。ヴァルの潜在能力には計り知れないものがある・・・。」
ヴァルは基本的に神器を投げるだけでいい時もある。神器の特性で必中になっているが、ここまでの世界観であれば、ヴァルもヘルも知るはずがないと言える。むしろ知る必要もない。
それと・・・「潜在能力が」というやつは、大体は決まっていて、目の前の現実を捻じ曲げて見るレンズフィルター能力を持っている。本人が気づいていないこの仕様では「現実逃避」か「ベロ酔い」に相当する。
他にもヘルは「投げ銭」として、自分で貯めた「ヘルの魔素」を定期的に課金・・・いや、定期的サブスク・・・まて、会員となって捧げるように、密やかにヴァルに与えているようだ。
ヘル
「我が無量大数の絶望と悲しみから魔素は作られる。聖地巡礼と・・・グッズをだな・・・ウルズに作らせる算段を・・。」
こうして惨劇と苦痛の戦地ヴァルハラの大地は、油彩絵具で滲んだ絵画となり、陰湿画としてヘルの屋敷に今も多く飾られている。
我が発展を願う永遠の友・・・そして膨らむ理想像が、事実との間に溝を作る。
永遠の別れのよう・・・異国にも聞こえる・・・。
それはいわゆるファンという。
名探偵レオ

月詠
「最近・・・良からぬ事を知ってしまってにゃ・・・。」
ラファ
「それは調べて知らなければいいのでは?」
月詠
「そうもいかにゃいのだ・・・。誰かが拳を振るった決心をせずとも、事実が語る事は多すぎるにゃ。」
ラファ
「隠すためにと偏見の脱却も厳しそうですね・・・。月詠様とレオ様の因果も示されているようだにゃ?」
月詠
「・・・。スサノオはやらなくてもよい。」
ラファ
「・・・。」
何とも言えない空虚な空気が漂った。時が止まったのかと辺りを確認して見せている。ここまでに九尾のうたた寝に「見計らいの目」があるとは、誰にも気づかれた節はないようだった。
月詠
「過ぎたのも余興であればと束の間に。この匂いはヘルの居場所から。」
逆行月詠術は、この世のものとは思えない魔言語のようだ。
デフォルトで備える九尾の狐に抗いを示す者も、見渡す限りでは見られない。
ニーズヘッグ世界刻印の最中で・・・九尾はテレポーテーションを使用した。

ヘル
「このような僻地に何用の・・・。」
レオ
「ここまでの御宅引き籠りの陰湿な匂いを放って何を言っておるにゃ。」
ヘル
「何か言い過ぎ・・・。」
ウルズ「ヘル様が・・・★▼〇✖☆■△。」
ベルザ「★▼〇✖☆■△・・・★▼〇✖☆■△。」
スクルド「★▼〇・・・。」
制作人員として呼び出されていた三神だったがフィールド衝突が火花を散らしている。
周囲をかき消す爆音が鳴りやまず、三神は次第に話すのを止めてしまった。

レオ
「この大地の地下層に眠る闇には、何が潜んでいるか知っているか?」
ヘル
「我が知らぬものも、この世にはない・・・。」
レオ
「おぉ?それは強いのか?」
ヘル
「九つの尾を見た・・・とある冥王が領地を持つ流れでは、何やら十七の尾を持つ存在をも見知りしている・・・。結果がどうであれ、八も駒の絶対数に差があるのは、確認も試すも戦意自体の不問でもいいのかと。」
周囲が見て取れるのは戦意喪失か、誠意があったとした賜物か・・・。真実を決められるのも「冥王ヘル」の匙加減と御心次第になっているようだった。

勝敗を期待する・・・。
それも僅差であるうちであろうか・・・。
手抜きではない圧倒的なものとなれば戦火を消すのも容易である。
紛争もまた幻に消えてしまう我を人は恐怖だとする。
無敵最強の名からは変化を手に入れていた。
これに我は「吾輩は猫である」と言う事にしている。
レオ
「ヘルよ・・・お前は賢くてつまらん。」
ヘル
「先にあった新しい大地の深層なのだが・・・地底の暗闇を召喚する仕様があり・・・。」
レオ
「そ・れ・ナ?」
本人の意思とは関係なく現れたテリトリー均衡は矢先を徐々に変えていった。
ウルズ
「爆音は止んだとしても・・・。」
ベルザ
「召喚魔獣がフェンリルだったら・・・。」
スコルド
「離れた方がいいかもしれん・・・しかし・・・ヘル様に呼ばれたまま・・・。」
ヘルが詠唱を始めた。
「明るみに非ずも有する最下層とは闇も深く。限りなく深まれば消滅の近く。誰も気づけないとも奥底から。語り掛ける我は地表よりの声。その極限の力をここに。」

ウルズ
「これは・・・ありえないがヘル様であっては・・・。」
ベルザ
「存在が観測できない・・・。」
スコルド
「・・・。」
三神は再び黙りこんで、やはり言葉を発しなくなった。
ちなみにヘルは、ニーズヘッグを召喚および、コントロールする事はできない。
謎の召喚獣
「ダアァアァァアー!」

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