「道をはばかるのも己の心にしかない。どこを見ている?」
来名:アマテラス

優勢と劣勢が見えて整理されたような正面衝突。ヴァルが使用できる神器も数が多い。本来は実地使用も及ぶはずがない高性能揃いだった。ここに疑問を挙げる人物も出てきている。

ヘル
「戦神像の失脚・・・認めない・・・戦場となっていくこの領地では我が魔力が尽きる事はない」
異変の視察に出ていたヘルは、刀を振るう人物を見ていた。
レオ
「休止状態のアイドルに届くとしたら投げ銭か」
先読みも過ぎた九尾の狐に抗う低次でもないヘルは、ニブルヘイムへの帰路にたった。永遠の力は、隔離域で作り上げられる無量大数の闇を渡す事でもあった。
麻呂
「追う事もない」
レオ
「ニャ・・・先読みが過ぎまする」
ラファ
「テレポーテーションで捕まえられますね」
レオ
「そしてお前は後からイウナ」
ラファ
「確認です」
レオ
「それで現実逃避の世界はハッピーだろうが」
永遠の永久機関が動き出す。当事者の麻呂は、何を想っているか。
ラファ
「このことか!」
異世界域のラファは何かを落とした。
「このキセル・・・姉様が拾おうとしていた。時宝珠があれば止まったかのような絵画にできると聞いた事がある。戦神が繰り返すだけの運命であるのなら・・・」
流宝珠は天宝珠と向き合い、均衡状態で相殺しているようにも見えている。
■分岐エンディング1 今のうちに姉様に「天時」を・・・。

静止していたはずの絵画「天空のイグドラシル」・・・伝説にあるのは「天時によって封印された古代の遺跡」だ。天時が断ち切ったとされるものは多く「神格のイズン」を、地上に落として振り出しに戻すまでに至った。そのために把握しきれない数のアリスを出現させていたが「天空のイグドラシル」にも、劣化現象が起こり色あせて朽ち始めている。これは現世にも影響があるとされて、空からの倒木と流木が描かれている。
ラファ
「あのエピソードであれば・・・悪いだけにはならない。私もいくらでも薪割りができる神の類。私であれば何度でも構わない」
流宝珠が何を本流としているかは分かっていない。これからの事を過去の要因と結び付けた2度目を嫌っていると見ている。ここからは、姉様が切るのが樹なのか、ヴァル自身なのか、それとも・・・。ここに本流が見つかはず。
■分岐エンディング2 万物より我が開眼が見透かせぬものがあるとでも?

「ラファの精進もあったかもしれん・・・今というのは、姉様の原稿が届いていない状況。我が直接ふるったとしても、髪の毛ひとつそよぎはしない。手中には・・・ア・・・アーブルは何処に行ったかのぅ・・・」
アーブル
「ダアァァアアァ!」
じゃがいもを焼く火力を求めて、どこかに向かっている。

■アーブルの動き
九尾の9本目によって「水中地底の竜宮城」が「空を浮遊する竜宮城」に写されている。これを見たアーブルは、重力を変動させるグラビディとの類似現象を感じている。九尾を仲間だとした「レオ」と、じゃがいもを焼いて食べようとしている。
九尾のうたた寝
「戦神に力を与えたのは、気温が上がらない氷結の大地に災いした食糧難。新しい大地には、新しい恵みもある実態を知り、あのエピソードで掌握しているのも、まだ我のみかもしれん」
流宝珠には、流れになければ孤立を働きかける性質もある。
これまでの流れにも、分岐と支流がいくつか描かれているが、いずれ本流が飲み込んでいく流れになろう・・・いつか。
遅かれ早かれと九尾は見つめているようだった。
■真エンディング 不条理と規格外

ウルズ
「イグドラシルの実が足りない事が・・・?」
ベルザ
「アリスオーディションの合格者は増やせる」
スクルド
「いくらでもイズンは生まれ・・・そして神器も」
■永久循環機関「世界樹イグドラシル」
樹は大地の奥深くに根を張り巡らせ養分を吸い上げる。成果となる実を作る時には、誰かが持ち去るか、そのまま腐り落ちるか。両者とも経由が違うとなっても、たどり着く所は同じくして、土に還り地中の奥深く。光も届かぬ闇からでも、根は力を吸い上げまた実り・・・。

「何を失おうと時間の問題・・・私の審判を繰り返し受けるのを待っているだけ。・・・その時間というのも、冥王ヘルの元で怯えていたとは、判決の考慮にはない」

「我が名を呼んだのか・・・」
本領ニブルヘイムの冥王ヘルには気になる人物がいた。
「あの刀・・・見事な鞘に収まる名刀と分かるが・・・そのまま永遠の鎖で戦地ヴァルハラに・・・。神獣がひしめく終焉戦争で多くの屍と断末魔の叫びを聞かせてくれよう」
生死も正邪もない質量の魔力は膨れ上がり、地表にも溢れ出るほどだった。
土地を腐らせる中心となっており、次元隔離がある場所だが九尾に限っては、次元を超えての同格出現テレポーテーションも使用できる。
次元が違う安全地帯のラファ。
「恐ろしい気配が色になって地表から染み出している・・・」
レオは嗅覚を効かせて一方に視線を送っていた。
「吾輩の辞書によると・・・」
麻呂
「追わんでもよい」

九尾の狐
「永遠とは・・・繰り返し・・・勝算も保険も・・・今でなければ・・・孤立・・・いつか・・・支流と本流・・・天と流の干渉・・・後追い・・・我が至らぬとする・・・相分かった。出遅れては我も姿を見せようぞ」
麻呂
「気づいたか狐め・・・」
九尾の狐
「幻の彼方より姿を現せ。見ざる、言わざる、聞かざる、機密情報保持たる奥義をみせよ」

戦地ヴァルハラに獰猛な猿三匹が浮世術によって現れた。雷獣ラムゥの雷を容易に弾き、水獣シヴァの氷を噛み砕く三体は、真っすぐに飛び掛かっていった。
■九尾の浮世術
要素を一定の法則で集結させて形状化する。見て取れる世界内での量子を使用しており、姿に相応する物理的な干渉が可能。
「アリスを連れてこなければ・・・え・・・へ?」
三神は猿との攻守防衛に体をとられ、行動も神威も無力化してしまう。
九尾の狐
「幾度と繰り返せば切ないのぅ・・・それもまたしかり・・・そして流宝珠もしかり。流界で弾かれているのは、よもや繰り返しの因子。一度見たような事象は本流にはない。今の戦神が最後でなければ・・・?神器を与えた最上格も無に返るが・・・」
麻呂
「流れ流され・・・いつかは訪れ」
九尾の狐
「それは今だね・・・そしてお前だね・・・ニーズヘッグ」
九尾の七つ尾は出現した。月詠とは「東から西」と「西から東」の両方の詠みが可能。無詠唱もしくは後詠唱であっても造作もない。

九尾の狐より気竜ごときへ
「気が変わればと思うは歓喜に満ちた日であろう。それは悲しき今がありて願う希望。そこまでの道を楽しみが踊る。踏み外せば怒りが満ちるがそれも道の上。一連である気分を変えるのを悪とした我は阿修羅となろう」
追伸 ~ 気分を変えるのもほどほどにしとけ。 レオ ~
あたかも悪があったかのように・・・ちょっとした八つ当たりを見せた九尾の狐だとは、誰も思いはしないだろう。ニーズヘッグの気宝珠は、多数の人為宝珠に囲まれ、右か左か上か下かと動転を始めていた。

ヘル
「我が知らぬなど・・・なんの音か・・・いずれ分かる・・・それからでも遅くはない」

麻呂
「目当ても払いもない時に耳を澄ませば」
世界に空前絶後のヒビが入った・・・その隙間から静かに聞こえてきていた。徐々に大きくなる音に、誰もが待つのを決めさせられたようだった。
九尾の狐
「神器の相手をしたのは早回し。ニーズヘッグも1パターンの造物主」
麻呂
「流れに沿うその本流とは・・当てるにも足らず・・・誰も知らない状況にあたふたと騒ぐのも潰えた頃合いで・・・我も見たいと訪れは・・・本流によって必然となる」

パイロット
「大分揺れたが・・・大丈夫かい?」
誰かの声
「嵐を抜けたかと思ったら・・・空にヒビが入ったのを見た気がする・・・」
運んでいた書類のコピーを空から落としたがコピー部数も多く気にする様子もない。
ここは浮世かファンタジーの世界。人間界から超えてきた形で一体の赤いセスナが描かれている。これは一体・・・!?
麻呂
「・・・・・」
九尾の狐
「・・・・・・・」
ラファ
「ですね・・・」
ヘル
「・・・見える・・・」
ニーズヘッグ
「・・・・・・・・・・・だそうだ」
九尾の狐
「今度はそう言うか・・・・・・」
誰もが予想だにしなかった登場だったが1人だけ声をあげた者がいた。

「ノルン・・・・私の夢・・・?」
麻呂
「・・・・どういうこと?」
九尾の狐
「姉様が知らねば私は知りませぬ・・・」
ラファ
「上手い事にげたな・・・」
ニーズヘッグは動転していた気を取り直して世界のヒビは消えていった。セスナも少しの滑空を見せて、また空に消えていった。ほんの数刻の歪みが起こった。
ヴァルハラでは、神器が消失したかのような現象が見られていた。これは天宝珠と干渉して受けつけないほどの流宝珠が、永久循環と起こした少しばかりの不条理として処理される。どこかにシワ寄せはあるものだが、それが空を割る空前絶後で良かったかどうかはだけは、誰にも分からなかった。

なぜか空から書類が降ってきている。創造主の領域で姿を書物に変えて大地に落ちてきた。
ヴァル
「ノルンのレポート・・・」
麻呂
「ノルンのレポート!?・・・・チラッ」
九尾の狐
「どうして知っている!?・・・チラッ」
ラファ
「武器じゃなかった・・・・・・・・・・」
これが何なのかは、ヴァルにはすぐに分かったようだった。
■ノルンのレポート
かつて天才と言われてもてはやされた「ビーヨン」研究室のアリスには同期がいた。架空のような無理難題の植物育成をしていた「ノルン」である。数多の賞を総取りする天才が隣にいる環境で「これまでにない」を目指した研究だった。それはアリスがやらない事を検証して記録した形跡もある。多くは失敗に終わっているが「失敗の履歴」が事細かに記されており、見る人にとっては、判例と原因自体が分かる釘を刺す参考書になっている。
ヴァル
「武器じゃなかった・・・」
前書きメモ
「貴方が失敗するには時間がもったいない。これがあれば貴方が腐らせる植物も少なくなる。この価値が分かる者には、私は惜しみなく資料を分け与えたいと思っている」
ニーズヘッグの再起で動き出した三神は語り出す。
ウルズ
「何も隠す必要はない・・・」
スクルド
「貴方が名乗る事をしていくれているが・・・」
ベルザ
「貴方は10人目で最後尾の屋根裏のアリス・・・」

スクルド
「まだ言えていない・・・」
ウルズ
「貴方の地上での仕事は樹木医・・・」
ベルザ
「世界古代植物研究機構の博士号研究員・・・」
麻呂
「それって・・・美味しいの?」
九尾の狐
「珍しいのか・・・」
ラファ
「五右衛門様を見ている気が・・・その方が想像してる世界と浮世の関連・・・」
チート神の言われと強すぎる神の言われは健在であるため気も緩められない。この世界の住人ではない3人は遺脱ばかりで、これ以上どうしようもない事も見え隠れしている。

ヴァル
「私が・・・持たされていた・・・造作もなくできる事が・・・それが見つかった。冥王ヘルよ。無量大数の行先を示そう」
ヘル
「無論であろう。我が永遠の友よ。地面より回る毒のように。気づいた時には全てを蝕んでいた・・・それもある」
欧世界の理にも不思議が広がっている。保護と強化と破壊を担う神器の繋ぎとして戦神ヴァルキリーが手にしたのは「ノルンのレポート」である。
ヴァル
「これで・・・戦える所・・・それも私の理であると・・・。私は戦神。戦いを止めることはなく、いかなる道具でも使いこなす。それが本であろうとも戦場を見出して私は進む。そして私の刃はこれにて・・・世界樹イグドラシルへと向かう。私は戦神である。この界隈で私を止めるものはいない」
終焉戦争が描かれつつある聖地ヴァルハラの各地では、かつてない目標を掲げられた神獣たちがどよめきの声を上げ始めていた。
麻呂
「ひょいっとな・・・」
懐から出した「伝家の宝刀」はイグドラシルの樹の前で空を切った。どうやら短いらしい。
ラファ
「それは・・・」
この時に麻呂は既に天時を持っていた。ラファの精進も既知であったようだ。時宝珠には加速が仕掛けられていて時を縮める現象も起こせる。樹木医の名誉があった戦神ヴァルキリーの戦火が「イグドラシルの病気を治す」方向になるとは、この時の全ての住人の頭によぎっていた。
ヴァル
「ヘルの再生力をここに・・・この流れでいくと・・・」
今もなお永遠を利用して行われているのは「品種改良」のようだった。「イグドラシルの実」は古来のものとは違ってきていた。風習や根本は色あせずにあっても、その切り口や捉え方と成果に関しては、新しく変わっていくのも流れには含まれる。
流宝珠が本流としていた合流地点が、ここにはあるのかもしれない。
偏見や先入観によって進む流れを、今回の流宝珠は好んでいなかった。変化を恐れない事を本流として加護を与える・・・私には流宝珠がそのように見えた。
麻呂
「長いな・・・何か出版する気か?」
レオ
「とりあえず食べてから考えまする・・・」



